「普通の恋愛」ってなに?

緑がかったグレーの背景に「「普通の恋愛」ってなに?」と書かれている。「恋愛」の文字は藍色で書かれており他の文字は白で書かれている。 読んだ、観た記録

※原作ネタバレあり
どうも、ほしのみです。

BL漫画「普通の恋愛」の実写化が発表されました。
主演は古川雄輝さん(文原役)と原因は自分にある。の長野凌大さん(東役)。
古川雄輝さんは「リスタートはただいまのあとで」、
長野凌大さんは「PUNKS△TRIANGLE」でともにBLは主演出演済みですね。
どちらも観ましたが、「リスタート~」は良いBLだったような…結構前に観たので記憶が曖昧ですすみません。
「PUNKS△TRIANGLE」はめちゃくちゃNot For Meで突っ込みどころ多すぎだしモノローグ多すぎだしでも何とか最後まで観きって、なんだったんだ…で終わった作品。
なので長野凌大さんが新たなBLに出演してくれるのはとても嬉しいです。

とりあえず原作を読んでみよう、と思って1巻を開いたら既視感あり。
1巻だけ読んだことあったやつだ。
タイトルから推察するに、結構現実にある偏見や差別まで言及するタイプの作品かなと思いましたが、概ねそんな感じでした。

「アセクシャル」という言葉の意味のズレ

まずこの漫画で気になったのは「アセクシャル」という言葉の意味についてです。
私自身が認識している「アセクシャル」という言葉の意味は「他者に性的欲求を抱かない」です。
多分、色々悩んでいた時に検索して出てきたのがこれだったからだと思います。
しかしそのあと「ノンセクシャル」という言葉と出会い、
それはどういう意味なんだろうと調べると「他者に対して性的欲求を抱かない」と出てきました。
アセクシャルと同じ意味?と思い更に調べると、どうやらこれは日本独自の使い方のようです。
しかもこの場合「アセクシャル」という言葉の意味が「他者に恋愛感情も性的欲求もない人」と、前述とは違う意味になってしまいます。
日本独自に発展した用語を否定はしたくないですが、「アセクシャル」という意味に違った意味がふたつ付いてしまったら、自分を当てはめて話したとき捉え方が変わってしまうのがちょっと不安だな、と思いました。
そしてこの「普通の恋愛」という漫画ではこの日本独自で広まっている用法で説明がされていました。
間違ってはいないけど、ちょっともやもや…
難しいな、間違ってはいないしちゃんとある用語で説明なんだけど、これって議論されてたりするのかな。
これからどうなっていくんだろう。

この作品内で「柊沢未来」というキャラクターはアセクシャルを自認しますが、
相談相手の文原は「性的なことをするのと恋愛感情は別だよ」と言っているので、
ここを切り離して考えるのが妥当なのだとしたら「ノンセクシャル」が存在する日本における
「アセクシャル」って不思議な言葉だよな、って思ったりする。
「恋愛感情は他者に向いても性的欲求は向かない」「性的欲求は他者に向いても恋愛感情は向かない」「どちらも他者に向かない」など本当に色々な人がいるもので、それ以外にもいーっぱいあって、個人差であるとしか言えない。

東のセクシャリティについて

東は元々異性愛者を自認していました。
ただ過去の交際は、告白されて、なんとなく付き合って、なんとなく好きになっていく、という感じだったようです。
この時点でそもそも東にとって「恋愛」は主軸じゃないんだろうなと思いました。
そして文原と出会い共に過ごしていくうちに、一緒にいたいと思うようになる。
しかしこれが恋愛感情だと認識できていないので、「付き合う」という発想にはなりません。
文原から「自分は同性愛者で、東のことが好き」と告白はされるけど、返答を躊躇ってしまう。
そりゃそうだよね、「男性と付き合う」って発想がそもそもなかったので。
でも一瞬で東は「ここで断ったらこの人が自分から離れていってしまう」と考え、それを嫌だと思います。
だからそこで東は咄嗟に「じゃあ付き合いますか」と返答します。
「恋愛感情」かわからないけど「一緒にはいたい」は、きっとそんなに少なくない人が経験ある感情かなぁと思いました。
なので東は「クワロマンティック」※なのかなと思いましたが、
このあと東は自分を「デミセクシャル」※だと説明していました。

※クワロマンティック…恋愛感情とは何かがよく分からない、あるいは恋愛感情と他の感情の区別がつきにくい人
※デミセクシャル…深い信頼関係や感情的なつながりができてから性的な惹かれを感じることがある人


この作品であれですね、「ロマンティック」という言葉が存在していないっぽいですね。
恋愛と性愛を分けて考えるという説明はあるわけだから、やっぱり用語も分けたものを使った方がいいような。
でも「自分はおかしいのかも」と思ってしまう人が、こういう言葉の存在で救われるのは本当にいいことである。

元カレ役に「古屋 呂敏」来た。

「古屋 呂敏」と言えば、『恋をするなら二度目が上等』主演、更にその後『続・BLドラマの主演になりました』『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』等複数のBLに出演なさっている、注目の役者さんだ。(もちろんそれ以外にもたくさん出演している)
『恋をするなら二度目が上等』で恋人役であった「長谷川慎」さんとの仲睦まじい様子が放送から2年経った今でもよく見られて、勝手ににこにこしている。
恋人役で共演した相手とずっと仲良くしている姿なんて、なんぼでもあってもいいですからね。
ということで、元カレに「古屋 呂敏」間違いなし。
かなりクズでもあるが色々抱えてもいた元カレ「周弥」を好演してくださることでしょう。
楽しみですね。

マイノリティを打ち明けられたら。

文原に「ゲイ」だと打ち明けられたとき、返答に一瞬間をあけてしまった東が「なんて冗談!」とごまかした文原にしまったと慌てる描写があります。
「自分が変に間を入れたから不安になったよな…」と相手を思いやれるところがとても良かった。
実際、マイノリティを打ち明けられたときってどういう態度でいたらいい?と思うことはあると思うけど、
「そうなんだ」くらいでいいと思うんですよね。
もちろん、今現実に差別に苦しむ人がいるということは忘れてはいけないし、そこに反対をし抗っていきたい。
でもその差別を解消したうえで異性愛者も同性愛者も変わらないという認識は広がってほしいですよね。

欲を言えばアロマンティックアセクシャルももっと広まってほしい。
同性愛者やトランスジェンダーは結構声を上げる人が増えてきてるけど、まぁまだいると認識されていないのがこのあたりかなと思うので。

「普通の恋愛」なんてない世界に、いつかなればいいなぁ。

では、また次回の記事で。

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